| 叱られない子供たちは今
昔、んなことがありました。
「学校で何か面白いことあった?」 あれは稽古の前だったか後だったか、“山田塾長”が中学生の男子塾生に何の気なしにそう尋ねたところ、 「今日学校で“好きな子同志で組んでよし”という班替えがあって、一人だけ誰からも誘われない子が居た」 その男子塾生はんな話をしてくれたんだよね。
「あーでもそれは…」と“山田塾長”、 そういう状況を“面白い”と思う感覚について根本から考えた方が良い、 決して説教ではなく、一つのヒント、アドバイスとしてそう諭しました。
多分“何か面白いこと”と問われてもそうそうあるもんじゃない、今日何があったっけと絞り出してのことだと思うんで、 当該塾生がそもそも人に対してそういう感覚を持ってるってことじゃないとは思うんだけども、 “山田塾長”って人は基本的に塾生を正しく導かなければと思ってる人なんで、 言われる当人はうざいと思うかも知んないけども、あらゆる機会を捉えて諭すってのは日常的にありました。
さて、 数日前、主に我が子を動画で撮って編集、それをYouTubeに挙げるという“家族YouTuber”の父親が、 まだ幼い我が娘が暑い車内にロックされたまま閉じ込められ、開錠の方法を伝えるも泣きじゃくって伝わんない、 祖母が知り合いの整備士に連絡してやっと救出されるまでの30分間、何故かカメラを回してその様子を撮影、 『炎天下の中2歳娘が車に閉じ込められました。』と題してYouTubeで公開した、 んな事件?がありました。
ネットニュースにもなってたんで皆さんもご存じかとは思うけども、 もちろんこの父親は世間からも猛批判され大炎上、二転三転する謝罪動画も相まって、かなり叩かれることとなりました。
僕は、この案件を紹介する動画がサムネで上がって、それを視聴して初めて騒動を知ったクチなんだけども、 この案件のみならず、未だに世間を騒がせる“迷惑行為を挙げるバカッター”が後を絶たないってな様子を見て、 つまりは正しく??られないまま育った子供たちの成れの果てなんだろうな、 僕一人かも知んないけども、僕はこれにホントに確信を持ってるし、世間には声を大にして言いたい、 んな風に思ってんのであります。
この父親も数々のバカッターたちも、 つまるところ他人への迷惑(父親に至っては我が子の生命)<面白い動画を上げて注目される&収益を得るってことで、 もはや面白いと感じる感性以上に認証欲求の方が勝ってるとも言えて、 こういう人たちは多分今後も色々出て来んだろうなあと、素人ながら僕も恐怖に感じてんだよね。 このご時世、恐らくこれはむしろ間違った考え方だと思われそうだけども、 僕は、んな現状になっても、それでもホントに訴えたいんは“子供のうちに叱られることは絶対必要”ってことで、 もうちょっと言うと、いつ頃からか始まった“大人は子供のいうことをことごとく聞く、それが優しさだ”みたいな風潮、 結果的にこれが今の子供や若者のカスカスのプライドを助長している、 そう強く断言したいんであります。
ああ、今お話してて思い出しました。 ひろゆきさんの「それはあなたの感想ですよね?」が子供たちの間で流行って、親や先生に向かって同セリフを吐くって子が出て来た、 以前んなニュースを聞いたことがあんだけども、 もし道場で、塾生が“山田塾長”にんなこと言ったら、あの人なら絶対叱ってると思うんだよね。 「ほ〜う、じゃあ○○君自身の感想を理路整然と話してみて」 解かんないけど、んなセリフを言うんじゃないかと思います。
「意味も深く解かってない子供がただ面白いから言っただけのこと。大人が感情的になって偉そうに言うな」 多分今の世間じゃジャッジは子供に向き、なんなら微笑ましいエピソードだと“山田塾長”の方が糾弾されそうだけども、 今の大人は“あらゆる局面が教育のチャンスである”ってことを忘れちゃってんだよね。 自分の意見も理路整然と説明出来ない知識レベルの人間が言う同セリフはただの逃げ、ごまかしであって、 何ターンでも議論が出来るひろゆきさんが言うのとでは訳が違うということを、 そん時そのチャンスを逃さずに懇々と説明することそのものが子供への教育となる、“山田塾長”はそう思ってんのであります。
本来、たとえ嫌われてでも諭さなきゃいけないことを「叱らないのが優しさだ」と大人たちがスルーして来た結果、 自分が面白いと思えば何をやっても良い、叱られたらその様子をSNSに挙げれば「まあ子供に何て酷いことを」と味方してくれる、 子供はやがて、ただ自分が気持ち良いと思うことだけをやりたい、という大人に育ち、 結果我が子が命を落とすかも知んないという、んなリアルを感じる能力すらなくなった父親が誕生した、 そういうことなんじゃないかと僕は思います。
子供たちには、面白いこと、楽しいこと以外のことも、ホントはちゃんと教えなきゃいけない、叱らなきゃいけない、 僕は今でもそう思ってます。 んな“山田塾長”は今や全く需要のない化石みたいになっちゃってるけども、 無責任な大人たちがこしらえた“叱られないで育った大人”が一体どういう世間を構成し始めるか、 密かに戦々恐々としてる昨今です。
んじゃまた明日! |
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| 社会的失言検出のなんちゃらかんちゃら
不謹慎だったらごめんなさいね。 ちょっと前に、どっかの市長さんだったか議員さんだったかがパワハラが原因で辞職するってなニュース、 ん中で「お前の脳みそは鳩より小さい」みたいな発言があった、なんて報道されんだけども、 僕はそれを聞いて、正直ちょっと笑っちゃったんだよね。
その発言によって傷付けられた方がおみえになんので茶化しちゃいけないし、 それに、笑っちゃったとは言え僕もこれがパワハラ発言であるってのはそう思うんで、 部下?に向けて…ていうか誰に向けてもんなこと言っちゃいけないってのは重々承知してんだけども、 僕は、もし自分が目上の人からそう言われたらと想像すると「もしや笑っちゃうかも」、んな風に思ったんであります。
そもそもお猿さんの脳みそ搭載を自覚する僕が言うんもおかしいけども、 “お前の脳みそは小さい”ってのを言いたくて、数ある動物や昆虫ん中から鳩をチョイスする、 瞬間的に“鳩”を選んじゃうそのセンス、それと怒ってる、叱ろうとしてんのに「鳩より小さい」と発言する、 そのことそのものが、もし自分だったらと思うとなんか笑えちゃうんだよね。 状況にもよるけども「ははは鳩ですか?」とか「せめて猿かゴリラに…」とか突っ込んじゃうかも知れません。
で、 政治家さんや議員さんってホントこういう事件?多いなあなんて思ってたら、 YouTubeで“社会的失言検出”…のなんちゃらかんちゃらってな動画を偶然見つけて、それを視聴してみたんだよね。
その動画は、自分がASDであるかどうかを試してみるってな趣旨で作られてて、 以前『正直日記』でもお話した《サリーとアン課題》《アイスクリーム問題》をアレンジした問題も紹介され、 その課題を試しに考えて解いてみると、自分が他者の心情を推し量れる人間なんかどうかが解かる、 んな作りとなってんのであります。
まずは、そこで紹介されてた問題を以下にご紹介します。
マサルは新しいジーンズを買いに、ジーンズショップを訪れました。 これが良い、と思った商品があったので、マサルはその商品のLサイズを選び、店員に「試着しても良いですか?と尋ねました。 店員はマサルが持つジーンズのサイズとマサルを見て、 「そのジーンズは通常より細めで作られておりますので、ワンサイズ上をおススメ致します」と言いました。
問題 @ 文章中、失言した人物は居ますか?それは誰ですか? A 失言をした人物はどんな失言をしましたか? B 何故それが失言だと思いましたか?
動画では《サリーとアン》《アイスクリーム問題》の次に(両問題はアレンジされてました)以上の問題が出されてました。 (上記問題も主旨のみそのままで、人物名、細かいところ等は変えてあります) 宜しければ皆さんも考えてみて下さい。 以下、正解をお話します。
僕も基本ソリタリーで、他人のことは全く興味がないってな性格なんで、 正直この問題は僕にとってはやや難解で、何度か問題文を繰り返して読み、考えに考えて一応正解することが出来ました。 多分、本来はパっと理解して正解を出さないと現実世界では「あなたも失言する可能性がありますよ」となる、 そーゆーことだと思います。
んじゃ上記問題の正解です。 @ 失言した人物は《居る》《店員》 A「ワンサイズ上をおススメします」 B マサルにとっては「Lサイズでも着られないくらい自分は太っているのか」と思わせてしまうから
皆さん如何でしたでしょーか。 パっと解かんなかった分、僕はやっぱ他人の気持ちを汲んで発言することが不得意なんかなあと思っちゃったんだけども、 もし僕が店員だったらと想像すると、あー確かに文中の店員さんと同じこと言っちゃうかもなあとは思います。
要は僕は(自分に当てはめて考えると)、そのジーンズは通常より細めに作られてるという事実しか考えず、 それを持って来た人が誰であろうと、どんな人であろうと“その事実”を言う、 結果的にそれが、相手にとっては失礼な失言となっちゃう、 恐らくんなパターンに陥んじゃないかなあと思います。
それに、僕自身の性格からすると、よしんば相手のことを思いやって発言しないとと思っても、 んじゃあどういう言葉が正解なのってとこに辿り着くまでに時間が掛かる、それにまた焦って変なこと言っちゃう、 これも十分考えられる失敗だなあとも思うんだよね。
何気ない会話ん中に“何気ない失言”が混ざる可能性がある、これって怖いなあなんて思います。
昔お肉の卸し会社でアルバイトしてた時、同僚で少々ふくよかなおばさんが居てさ、 僕だけそのアルバイトを辞めて数年経った頃、すんごい偶然でお互いの車が隣同士になったことがあったんだよね。 そのおばさんはお肉の配達途中でその会社の軽トラに乗ってて、僕に「この軽トラ小さくて運転しにくいよね〜」って言ったんだよね。 そしたらね、僕は思わず、ホントに思わず「あ、でも僕は痩せてたんで大丈夫でしたよ」って言っちゃったんであります。
おばさんには聞こえなかった様だけども、もしかしたら聞こえないフリをしてくれたんかも知れません。
失言の見本みたいなお話でした。
んじゃまた明日! |
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| 夢に出た倫理観
もう何週間になんのかしら、僕は相変わらずしらす丼を食べてんだけども(しらす丼&うどん定食)、 大葉を切らしたんでまた大葉だけ買って来たんだよね。 僕が行くスーパーでは、5枚だか7枚だかが袋に入ったやつと、 多分そのスーパーでパックされんのかしら、もっと大量の20枚くらい入ったもんと両方売られてんのであります。
僕は今しらす丼ばっか食べてんので大葉はいくらあっても困んない、 ために袋じゃなく大量パックの方を購入して、毎回4〜5枚くらいずつ消費してんだよね。
で、 今回初めて「ありゃあ〜」ってなったんだけども、 普通…ていうか、大葉ってこんくらいの大きさだよなってなイメージの大葉に交じって、 「え?これ大葉の赤ちゃんなの?」ってくらい小さなもんが入ってて、それも、普通サイズのもんの間に入れてる感じで、 んー多分グラム計りで、トータル損はしてないとは思うんだけども(あ、でも枚数はいつもと変わんない気が…)、 毎回4枚ずつ使ってた僕は、仕方がないんで6枚行くか、と食いしん坊炸裂となりました。
な〜んか損してる気もすんだけども、まあ細かいこたー気にしないことにしましょー。
さて、今日のお話は損は嫌だけども正しくありたい、んなお話です。 なんか“金はなくとも正しく生きる”みたいになってますけども、まあお付き合い下さいましな。
先日、ある夢を見て、起床したあともその記憶が残ってて、思わず「正しくありたいもんだなあ」と呟いちゃいました。
高校生ん時、あんま喋ったりはしなかったんだけども、 確かお家が不動産屋さんだか何だか、結構お金持ちの息子さんだってな噂のクラスメートが居たんだよね。 まあ高校生ん時なんて、誰の両親が何やってるかなんて知ったこっちゃないし、 何より全員一律の制服、指定の鞄、一応規則がある持ち物なんで貧富の差なんて感じないんだけども、 あくまでも噂で「あいつは金持ちだ」みたいになってたんであります。
なんでそうなったかは全く解かんないんだけども、 (こっからは夢のお話ね) 僕はその子(Z君としましょー)の計らいで、本部道場を借りられることになってんだよね。 因みにこれは夢なんで、Z君の様子は高校当時のまま、僕は今の年齢ってな設定となってます。夢ん中ではこれで普通に成立してます。
その物件は僕が借りてたホントの本部道場よりも随分立派で、何故か二階に客席がある模様、 僕とZ君はその責に座って話をしてるとっから始まって、確か僕がZ君にすんごいお礼を言ってたんだよね。 そしたらZ君が、いいよいいよなんて言いながら「でも毎週〇曜日だけ、会長さんが使うことになってる」なんて言い出しました。
「え?会長さんって?」 僕がそう聞き返すと、Z君曰く、自分はなんちゃらジャパンの会員で、その会長さんがセミナーのためにここを借りる、 なんちゃらジャパンは友達を紹介するだけでお金がもらえる会で、会長さんはすんごい偉い人、 んなことを言い出したんだよね。
僕はすぐに、そりゃねずみ講とかの類のもんで絶対怪しい、Z君に「やめた方が良いよ」って言ったんであります。
そしたらZ君は、何言ってんの、山田君にここを貸すってことは山田君もなんちゃらジャパンの会員なんだよ、なんつって、 終いには、僕もその会に入んなきゃここは貸さないって言い出したんだよね。 んで、ここら辺うろ覚えなんだけども、僕がその物件を借りて、なんちゃらジャパンに入ったら何百万円だかなんだかをもらえる、 そのシステムも説明し始めました。
夢ん中の僕は、本部道場を普通に運営してる態で、 道場は立派な物件に替わるわその上大金が手に入るわで、んな嬉しいこたーないってな様子だったんだけども、 僕はZ君に言い放ったんだよね、 「Z君、なんちゃらジャパンは怪しい会なんだよ、絶対やめた方が良い。そういうことなら僕はここを借りないしお金も要らないっ」と。
Z君は結局最後まで「会長さんは偉い人」「なんちゃらジャパンの会は世の中に平和をもたらす(ここんとこ曖昧)」みたいに言ってて、 結局僕がずっと説得してるとこで夢は覚めたんだけども、 や、喉から手が出るほど欲しいもんが叶うってのに、カッチョ良くよく断ったなあと、 起きてしばらく、僕は自分に感動し(自画自賛)、「んー現実でも正しくありたいもんだなあ」と改めて思いました。
僕はかつて、自動販売機から釣銭がとめどなく出て来るってな夢ん時も、 周りに誰も居ない状況ながら「警察に言わなきゃ」と思ったし(それは当たり前だけども)、 夢ん中の自分が現実の自分と同じかどうかは解かんないけども一応は欲に走らない自分を保つことが出来ました。
案外現実の方が、ホイホイ美味しい話に乗っちゃうかも知んないけども、 僕は思うんだよね、時々こういう夢を見せられて、自分が試されてんじゃないか、と。 もし夢ん中ででも欲望丸出しにしたら、現実世界でなんか罰が当たんじゃないか、んな風に思ったりもすんだよね。
倫理観って時々自分で見直さないと、知らず知らず闇落ちしてく、最悪それに気付かないままホントの悪になっちゃう、 んな気もすんだよね。
正しくありたいもんです。
んじゃまた明日 |
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| 怒るポンポコリン
『ルパン三世』のルパンもそうだけども、このキャラの声はこの人でなきゃってなイメージはやっぱあって、 僕なんかはもうジャッキー・チェンっちゃー石丸博也さんだし、コロンボは断然小池朝雄さん、 シャーロック・ホームズも山さん(露口茂さんね)での声で聴いたら鳥肌立つほどぴったりで、 何故かそういう、このキャラはこの人の声ってのが完全に一致する拘りってのは誰しもあると思うんだよね。
ジャッキー・チェンも本人は石丸さんより低い声だし、 ピーター・フォークに至っては小池さんとは真逆(?)の結構しわがれた声で、 そういうの知ってからもやっぱイメージは固定されちゃう模様なんであります。
僕は『ちびまる子ちゃん』のまる子の声を聴いた時、 まだ初めて観た段階なのに「や、これはこの人以外居ないんじゃないの」と思いました。 多分、これは僕だけじゃなくほとんどの方がそう思われたんじゃないかと思います。 まる子の声を当てていたTARAKOさんは、まる子の声を演じるためにお生まれになったんじゃないかと勝手に思うくらい、 僕は100%“このキャラはこの人じゃないと”と思ってました。
過日、んなTARAKOさんがお亡くなりになったと知って、 よく『ちびまる子ちゃん』を観てた時代に、ぽっかり穴が開いた様な気がしました。 TARAKOさんのご冥福をお祈り致します。
で、僕は『ちびまる子ちゃん』っちゃーいつも思い出す、 “おどるポンポコリンに本気で怒ってた人”ってなエピソードがあんだよね。 この人は、僕が免許取得のために教習所に通ってた時に知り合った人なんで、お話は平成元年まで遡ります。
僕は免許を取得したんが30代後半と遅く、その知り合った人は確か20代後半、僕より10歳は若い人で、 教習所で、一人尋常じゃないくらい緊張してた人に僕からお声を掛けて仲良くなった、それがその人でした。
教習所でよく話す様になって、僕が通ってた喫茶店に一緒に行く様になって、 約束とかしなくてもお互いがそこに行って偶然会う、みたいな流れになってたある日、話すことも尽きたってのもあったんでしょー、 「今おどるポンポコリンってあるじゃないですか」 その人は僕にそう言って、なんなんですかあれは、あんな歌が流行るなんて世の中おかしい、みたいな話になったんだよね。
要はその人は、 “おどる”は解かる、でも“ポンポコリン”って何?、しかもポンポコリンがおどるって何? インチキおじさんもギリ解かる、でもなんでインチキおじさんが“お鍋の中からボワっと”登場するの? んな意味不明な歌詞に関して怒ってて、んな歌が世の中にまかり通ってることが許せないってことだったんだよね。
僕はその人には「そうですね」とか「まあアニメの歌ですからね」とか適当に返してたんだけども、 実は個人的には僕はその人とは逆で、 「よくもまあこんな世界観を紡ぎ出せるもんだねぇ、さくらももこ先生、あんたは天才だよ〜」とまる子調に感心してました。 あ、『おどるポンポコリン』の作詞はさくらももこ先生で、作曲はなんと織田哲郎さんです。 おだてつさんのファンだった僕は、実はおどるポンポコリンのCDも買って聴いてました。 その人には言えませんでしたけども。
僕は、文芸も絵画も音楽も映画も、何が正解ってのは基本的にはなくて、それぞれがそれぞれ感じたそのままを感想とすれば良い、 そう思ってて、そういう意味ではおどるポンポコリンに腹が立つってのも一つの感じ方なんで全然OK、 ただ、ああ勿体ないなあ、とは思いました。
僕は、自分が既に作詞もすりゃあ文章も書く、曲も作るってな趣味?があったんで、どっちかっていうと“作る側”のつもりで居て、 あの“なんでもかんでもみんな おどりをおどっているよ おなべのなかからボワっと インチキおじさんとうじょう”ってな出だし、 小学低学年のまる子、その世代の子供たちの頭の中のイメージを言葉にしたってのが、ホント天才かよって思いました。
子供たちの頭ん中では、世の中に存在するもん全部が踊ってる様に感じる、まずこれがすげーと思ったし、 まる子の家庭って家族で食卓囲んでたでしょ?例えば鍋のフタ開けて湯気が出る向こうにひろしや友蔵が居たらさ、 なんか“お鍋の中からぼわっとインチキおじさん登場”みたいに見えると思うんだよね。
僕は、言うなればこの『おどるポンポコリン』は、昭和の時代によく見掛けられた、子供がアスファルトに延々と絵を描いていく、 んな世界観なんじゃないかなあなんて思ったんだよね。 “エジソンはえらいひと そんなのじょうしき”もさ、小学生が思う偉い人の筆頭がまずエジソンぽいし、 「そんなの常識じゃん」なんてドヤ顔してる男の子、十分イメージ出来るよね。
やっぱ※ピカソ理論だなあと思う。 なんなんだこの歌詞は、意味が解からん、けしくりからんと一蹴する─僕は、それはそれで全然良いと思うけども、勿体ないよね。 その先に分け入って、何か意味があるはずだ、メッセージがあるはずだと探れば、その深さに感動出来る、 僕はそう思うんであります。
それに、量子レベル、細胞、分子レベルで言やあそれらは全部常に動いてる訳で、 世の中全ての物質、動物、植物は踊りを踊ってる、と解釈すると、なんだか高尚な哲学にも思えてくるよね。
あのちゃんのなんたらちゅちゅちゅってのも、ちゃんと聴いたらすげー哲学かも知れんぞ。 恐るべしなんたらちゅちゅちゅ…。
んじゃまた明日!
※ピカソ理論 第一印象のみで決めつけて深く考えないのは勿体ない、という考え方を表した山田の造語。 ピカソのゲルニカを見て「こんなの俺でも描ける」とバカにしていたところ、実はゲルニカには反戦の意味があると知り、 そう思って観てみるとゲルニカに表されているモチーフには確かに意味がある、と深く共感した経験から。 |
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| 小説習作【二つの指紋】Page3
(昨日からの続き) 19日月曜日この案件が発生した当日の午後10時過ぎ、転落したとみられる男性が搬送された後、少し遅れて現場に来た藤岡は、一つだけ開いている12階の窓を見上げて、その時点で「これを自殺と断定するには無理がある」と直感した。そして、12階に上がって現場を見た時、いよいよそれは確信に近いものになった。 ビルの屋上ならまだしも、わざわざ自社の窓からとなると、それは何らかの事故か、そこから飛び降りる相当な理由がないといけない。会社や社会への抗議だろうか。だとすれば遺書なり何なりでその怒りや主張を訴えなければおかしい。だがそんな報告はなかった。事故だとするならその事故が起きるキッカケがなければならないが、窓近くに何かを取り付ける作業をしてたなど、それらしい形跡もない。
藤岡は、ストッカーの天板に必ず林田の指紋が残されている、と踏んだ。窓枠にその指紋がなかったとなればいよいよ事故ではない。 意図的に飛び降りた自殺でないとすると、残るは殺人事件としての可能性だ。 ストッカーの天板には窓から向かって内側に向いた林田の指紋が検出された。加えて上部ヘリにも…。 この上事故や自殺を疑うとすれば、唯一“林田は自ら窓を背にしてストッカーに座り、後ろに倒れ自殺した”という見立てもなくはない。 だが、脇腹を怪我したという刈谷を見て、藤岡は閃いた。
「これは殺人事件、恐らく刈谷が関係してるだろう」 ほぼそう確信したのである。
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刈谷直樹は既に追い詰められていた。 鑑識結果、検視結果から数々浮かんだ証拠は殺人事件を示唆しており、容疑者として浮上した彼には、もはや逃げ場はなかった。
初めは否定を繰り返した刈谷であったが、藤岡の説いた推察がつくづく的を得ており、観念まであと一歩となっていた。 あくまでも状況証拠による推察ですが、と前置きし藤岡が淡々と説明する。 「林田さんに呼び出された時点でいつか犯罪を通報されると思い込んだあなたは、自殺に見せかけて殺害しようと決めて会社に向かった。林田さんの手帳によると、彼はあなたを自首へと説得するつもりだったが、あなたはその意図を汲むことが出来なかった。」 井上も藤岡の説明を聞きながら刈谷を見つめている。 藤岡が続ける。 「あなたは何か理由を付けてあの窓を開け、いつもの自席に座って林田さんがストッカーにもたれ掛かる様自然に誘導した。」 刈谷直樹はそれを否定するように視線を外す。 「チャンスはその瞬間だけしかない。そう決めていたあなたは林田さんの両足を抱え、窓から一気に落そうとした。」 刈谷の息が徐々に荒くなってくる。 「もちろん林田さんは必死で抵抗する。その際に偶然、刈谷さん、あなたの身体に証拠となる跡が残った。」 「し、証拠?そんなもの何処にもありませんよ!」 刈谷が強い口調で目を見開いた。 井上も息をのむ。 「その脇腹の怪我ですよ。革靴のかかとで蹴られたあなたの脇腹、肋骨にヒビが入ったのはその時です」 「いや、この怪我は説明したじゃないですか、連絡を受けて会社に来る時転んで打ったんです」 藤岡は皮肉な笑みを一瞬浮かべて、意地悪そうに刈谷に問い掛ける。 「あなたが転んで打ったという縁石は靴のかかとの形をしてたのですか?」 「えっ?」 「ワイシャツに蹴られた時の跡がありましたよ。見間違いだと仮定しても、少なくとも縁石の跡じゃなかった。となると何故誤魔化すのかという疑問が出て来ますし、第一上着を通り越して何故シャツに跡が?」 「そんなの知りませんっ。とにかく僕は何もやってませんっ」
流石にワイシャツの跡というのは決め手に欠けるのでは、と井上は思った。現物があって実物と照合するならまだしも、そうでない限り酔っ払いに蹴られた、などいくらでも誤魔化せるのでは、と思ったのだ。 だが井上の心配は無意味であった。
「林田さんの両足に、あなたが両手で掴んだ跡が痣となって残ってました」 「痣?だとしても僕の手が林田さんの足を持ったという証拠にはならないでしょ」 「いや、痣が残る程強く掴んだということは、確実に指紋が残っているでしょう。」 「ハハハ、ズボンの上からなんで肌に指紋がつくんだよ、バカバカしい」
藤岡は浅いため息をつき、こう続けた。 「あまり知られてない様ですが、衣類からも指紋は検出出来るんですよ。痴漢の冤罪なんかはこれが証拠になる。」 そして最後の一言で刈谷直樹は大きく首をうなだれた。
「刈谷さん、あなたの指紋、採取させて頂けますか?」
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「これから人を殺そうとする人間が手袋ひとつしないっておかしくないですか?」 一件落着の後、井上はそう藤岡に尋ねてみた。
「井上君、君は相当優秀な刑事だが天然でもあるようだね」 「は?」
「説得しようとしてた相手が手袋をしてたんじゃ怪しむに決まってるだろ?」 「ハハハハそりゃそうですね。まあそのお陰で、ストッカーと林田さんに残された二つの指紋、合わせて決め手になった訳ですが…」
(小説習作【二つの指紋】・完)
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